2016-12-17 11:14 | カテゴリ:勉強や投資情報
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『マーケットの魔術師』の感想の続きです。
株式編は面白くてためになるので、一人ずつ掘り下げています。
↓前記事はコチラ
『マーケットの魔術師』感想 「先物と通貨」その1
『マーケットの魔術師』感想 「先物と通貨」その2
『マーケットの魔術師』感想 「株式トレーダー」マイケル・スタインハルト

ウィリアム・オニール

▼経歴▼
1958年 ヘイドン・ストーン・アンド・カンパニーという証券会社に就職
1962~63年 3銘柄で構成される異例の組み合わせで利益をあげ、当初5000ドルだった資金を20万ドルに増やした
1964年 ニューヨーク証券取引所の会員権を取得し、ウィリアム・オニール社という機関投資家を対象としたリサーチ専門の証券会社を設立
1983年 「ウォールストリートジャーナル」に対抗して「インベスターズ・デイリー」を発刊
1988年 『オニールの成長株発掘法』発刊しベストセラーになる

アメリカンドリームの体現者。投資家としてもビジネスマンとしても成功。
世界有数の投資家向け新聞『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙の創立者兼会長。

▼成績▼
平均年率40%を達成

▼手法▼
・成長株投資
独自の分析により大相場になる銘柄の7つの特徴(CANSLIM)を掴む
市場全体の2%以下しかない選りすぐりのスター銘柄

・素早い損切が大事(7%の損で躊躇なく成行で決済)
全ての株はダメだというのが哲学。その前提なら下がり続ける株を持ち続ける意味がなくなり、躊躇なく損切出来る
・ナンピンをするな
・低PERに意味はない
低PERだからといって、その株が割安であるというのはナンセンス
調査の結果、PERと急騰株に相関関係はなかった

・配当とパフォーマンスには何の相関もない
・買われ過ぎ、売られ過ぎ指標にはほとんど注意しない
以前雇っていた有名なテクニカル分析のアナリストが売られ過ぎだと言ったが、そこからいよいよ下落は加速した
・低位株や年初来安値の株や配当やPERに釣られて、二流株を買うな
・割安株を底で買うのではなく、上がってる株を新高値で買う
CANSLIMにより、大相場になる可能性の高い成長株であり、7%で躊躇わずに損切するからこそ可能なインのポイント
・少ない銘柄で集中投資
分散投資とは「無知をヘッジするようなもの」
少ない銘柄の事を何でも知っている方がリスク管理上も良い

・プロトレーダ―以外には空売りは勧めない

まとめると、CANSLIMにより大相場になる数少ないスター銘柄を見抜き、新高値更新で買う集中投資。
だけど、外れたら躊躇なく-7%で損切。ナンピンは論外。

尚、彼の投資法に関する批判をしている記事もありました。
ウィリアムオニールのモーメンタム投資術の矛盾

▼本著要点▼
「みんながやっているやり方(低PERや低位株を買えとか、専門家の意見)は役に立たなかった。そこで相場で成功している人たちを研究した。通常の2倍の運用成績を出しているファンドの運用計画書と四半期報告書から、銘柄と売買タイミングを分析すると、どれも新高値で買っていた。そこで私が最初に学んだのは、最高のパフォーマンスを上げるには、安値近辺で買うのではなく、直近の高値をつけたところで買う方がよいということだ。」
「過去数年間で暴騰した株を調べた。そして暴騰の前に何か共通した特徴はないか見つけようとした。そして大暴騰した株の上昇直前のほんの初期段階の大事な七つの特徴を見つけて、頭文字を取ってCANSLIMと名付けた。この公式に当てはまる株は全体の2%以下。勝率は経験則だが2/3は利益で手仕舞ったと思う。傑出したものは10のうち1つか2つ」
C:current earnings per share(今四半期の一株当たり利益)好成績をおさめた株は、大きな動きを始める時の四半期の利益が前年同期比で平均70%増加していた。良い株は株価が急騰する前に利益が急増する。つまり四半期の一株当たり利益が前年同期比で少なくとも20%~50%以上増
A:annual earnings per share(当期の一株当たり利益)好成績をおさめた株は大きな動きを始めるときに、過去5年間の一株当たり利益の伸び率は平均で年率24%だった。さらに毎年の一株当たり利益がその前年を上回っていれば理想的
N:something new(何か新しいもの) 新製品、新サービス、業界の変化、新しい経営、新高値等。多くの人は新高値で買うのを躊躇うのに、高すぎると思う株はさらに上がり、安すぎると思う株はさらに下がるというパラドックスがある。
S:shares outstanding(発行済株式数) 好成績をおさめた株の95%は、その間の発行済株式数が2500万株以下だった。平均は1180万株。中央値は460万株だった。多くの機関投資家は大型株しか買えないというハンディを負っているため、自動的に高成長株のいくつかを排除している。
L:leader and laggarol(先導株と出遅れ株) 32年間の値上がり率上位500銘柄を調べてみると、その急騰直前のレラティブストレングスは平均で87だった(レラティブストレングスが80というのは、過去一年間では他の全銘柄を80%上回って上昇した事を意味する)。つまり、先導株を探すべきで、出遅れ株は排除する。80以上の銘柄しか買わない。
I:institutional sponsorship(機関投資家の持ち株比率) 機関投資家の株式需要は非常に大きい。先導株にはたいてい機関投資家買いといいう背景がある。機関投資家が株主であることが必要だが、極端に高いと売り圧力になるので困る。
M:market(市場) 75%の銘柄は明らかに市場平均と同じ方向に動く。したがって日々の株価や出来高から相場が天井を打っていないかどうか知る必要がある。
「(なぜ新高値まで待って買うのか)新高値で買った方が損切が少なくなるから。底値で買っても株は10~15%は下に振れる事もあり、ストップロスにしている7%に引っかかってしまう」
「プロトレーダ―以外には空売りは勧めない。空売りはなかなか油断ならないものだ。株価が高すぎるというだけで空売りをすべきではない。天井で売ろうとするのではなく、適切な時に売るという考え。」
「全ての株はダメだというのが私の哲学だ。だから下がったら素早く損切をする。勝つ秘訣はいつもうまくやることとは限らない。実際、半分もうまくやれれば勝てるはずだ。間違ったときに損を最小限に抑えるのがカギだ。1銘柄の損は7%までに抑えるというのが私のルールだ。7%の損で自動的に成行で決済する。一瞬の躊躇もない。」
「損を放置しておくというのは、多くの投資家が犯す一番深刻な間違いだ。進んで損切出来ないのなら、株はやめた方がいいな。ブレーキのない車を運転するのかね」
「(利確時は?)あんばいよく株が動いている限りホールドすべき。次に天井では売れない事を悟ること。売った株が上がっても自分を責めることはない。目標は株で相応の利益を上げることなのだから。」

「投資家がチャートを使わないのはレントゲンや心電図を使わない医者と同じように馬鹿げたこと」
「株の出来高は需給の指標。株価が新高値圏に突入するときには、少なくとも直前数ヶ月の1日平均出来高を50%は上回るはずである。重要なポイントで出来高が増えるというのは、株価が動意づいていることを示す貴重なヒントになる。反対に、株価が上昇の後保ちあいに入ると、出来高が目に見えて減るはずである。保ちあいで出来高が減るのはたいてい値固めである。」

(初心者)投資家の犯す18の間違いについては『オニールの成長株発掘法』から抜粋
1.銘柄の選別基準がまずいのでスタートラインにつくことさえできない。彼らは儲かる株を発見するために何を見たら良いか知らず、相場のリード役になれない三流株を買う
2.確実にみじめな結果になるのは株価が下がっていく途中で買う事だ。
3.ナンピン買いをして平均コストを下げるのは、買い上がるよりもっと悪い癖だ。
4.低位株(割安だが問題を抱えた株で機関投資家が買わない)より値がさ株(健全な株で機関投資家が買う)を買え。機関投資家が株を持つということは株価上昇を加速するためには重要な要素。
5.新参の投機家は相場で一発当てようと思う。彼らは欲張りで、性急で、必要な勉強や準備はしないし、基礎的な手法や技術を習得しようともしない。彼らは簡単な金儲けの方法を探しているが、何をすべきかを学ぶ努力をしたり、時間をかけたりしない
6.アメリカ人の主流は耳より情報や、噂、つくり話、投資情報サービスの推奨に基づいて株を買って喜んでいる。他人の言った事に賭けずに、自分で確かめろ。
7.配当や低PERにつられて二流株を買うな。
8.有名な会社や自分の知っている会社の株を買うより、馴染みがないが、自分で勉強し、調査した銘柄を買え。
9.ほとんどの投資家は良い情報や助言を得ることが出来ない。それが出来る専門家は一握りだから出会えない。(=だから自分で勉強しろ)
10.一般大衆の98%以上は新高値に入っている株を買うのを躊躇う。彼らには高すぎると見えるからだが、個人の感覚や意見よりも相場の方が正しい。(=だから新高値でも買え)
11.経験の浅い投資家は損が小さいと頑張って、損は大きくなり、大きな犠牲を払う事になる(=だから素早く損切をしろ)
12.小口投資家は利食いが早く、損をひきずる。これは正しい投資手法とは全く逆だ。
13.個人投資家は税金や手数料を気にしすぎる。
14.大衆は手っ取り早く大金持ちになる方法だとしてオプションをするが、彼らの投資手法はリスクが高く、あまり良い投資手段とは言えない。
15.初心者は指値を従るが、数ティックに囚われて大相場になる買わなければいけない株を買えない事があってはならない。また損切が遅れるのもよくない。
16.一部の投資家は売買の判断に問題がある。無計画であり、投資の理論も、ルールもない。結果優柔不断となる。
17.ほとんどの投資家は株式を客観的に見る事が出来ない。いつも期待や好みを持っている。その個人的意見に頼って、より正しい市場の意見に耳を傾けない。
18.投資家は株式分割、増配、ニュース報道、証券会社や投資情報サービスの推奨など、あまり重要でないことによく影響を受ける。

「株式市場はあやふやな意見があまりにも多いため効率的でないし、投資家の強い情動によりトレンドが形成されるのでランダムでもない」
→効率的市場仮説とランダムウォーク仮説を否定。まぁ肯定したら自分の本の内容と矛盾するし本売れなくなっちゃいますもんね

※本の内容をまとめただけで、特にオニールの投資法や本を推奨する訳ではありません

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