2024-03-09 09:16 | カテゴリ:勉強や投資情報
↓800億円投資家、清原氏の本のまとめです
わが投資術

本著は素人でも読めるよう数式が少なく誰でも分かるようになっています。
また随所に記載内容に沿った面白エピソードが盛り込まれているので投資未経験者でも楽しく読めます。

■清原氏の基本戦術:割安小型成長株と逆張り

・小型株(時価総額500億以下)主体なのは割安放置されている小型株から成長株を見つけることが出来れば爆発的に儲かるから
※目論見が外れて成長株でなくても損切どころか利確で終れる事も多くローリスクハイリターン
・逆張り
・ショートは機会があれば
・1銘柄の最大投入額は投資資金の25%以内

■小型株は個人投資家向け

・見てる人が少ない=少数派になれローリスクハイリターン
※逆に大勢と同じポジションであれば間違った時損失が大きい
・事業が少ないため簡単にリサーチ出来る=時間を有効利用出来る
・事業が少ないので何が織り込まれているか簡単に把握出来る=何が織り込まれていないか分かる=自分だけの投資アイデアに気づける
・カバレッジしてるアナリストがいないか少ないので市場に織り込まれていない投資チャンスが多い=効率的市場仮説なんか存在しない世界
・取引コストが高くなるので機関投資家は参入出来ず個人投資家だけの天国

■割安株は低PERと高ネットキャッシュ比率で判断

・PERはバランスシートも考慮してみないといけない
※PERが高くても割安という事もある
・PBRは見ても意味ない
※バリュートラップに引っ掛かる
・PBRの代わりにネットキャッシュを使って財務的な割安性を判断する
※ネットキャッシュ(常に同じ値段で売れる資産)の一般的な説明はコチラ
※ネットキャッシュの定義は人によって違うが清原氏は「流動資産+投資有価証券×70%(税金等考慮)-負債」
※ネットで多い説明では「手元流動性(現金同等物) – 有利子負債」で清原氏と違うので注意
※ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ/時価総額。1で「会社がただで買える程割安」、大きくなるほど割安
※ネットキャッシュ比率1倍以上は最後にスクリーニングした時で以下の通りで、割安株は小型株になる程多い
 大型株(時価総額3000億以上)0社
 中型株(時価総額500億~3000億)11社
 小型株(時価総額500億未満)309社
・グロース市場は見る価値もない割高株が多すぎて最悪
・バリュー株を逆張りで買ったら下がるのが当たり前なので20~30%程度のドローダウンで損切をするな

■成長株の探し方

・成長性はボトムアップアプローチで発見
※個別企業の業績や財務指標の分析に基づいて、投資対象を徹底調査
・成長株かどうかを見極める一番重要なのは社長
・その他成長株を探す方法は本著を買って読んでください
・具体例
①低PERと高ネットキャッシュ比率でスクリーニングすると本当にダメな会社順に出て来る
②下がるべくして株価が下がり割安放置されているダメな会社の中から光る何か(=独自の投資アイデア)を見つけて会社訪問する作業は砂の中から砂金を探すような苦労だが、その中で成長株を見つけるとホームラン
成長株だと自信が持てなくてもとりあえず買っとけ。例え見立てが間違っており成長株でなかったとしても、本当のバリュー株なら中長期では損しない確率が高いから

■コーヒーブレイク■

ネットキャッシュのスクリーニングはフィスコのHPで出来る(会員登録不要)と思いきや、ネットキャッシュの定義が清原氏と全く違うらしく財務が超ヤバい会社まで超割安で出てきちゃうので注意!
※一般的な「手元流動性(現金同等物) – 有利子負債」で計算されている模様
↓検索結果がこれ
・PBR0以上、PER0以上10未満、ネットキャッシュ比率1以上
・銀行が大量に異常値で高ネットキャッシュ比率になったので除く
・東証以外を除く
20240303フィスコスクリーニング
・・・なんか違くね?って思って一番高ネットキャッシュ比率となった東洋エンジニアリングのバランスシートと睨めっこしたのですが、自分で計算したらネットキャッシュ比率が0.67になって割高です。
多分ネットキャッシュの定義(計算式)が清原氏と全然違う(有価証券に×70%するとかのレベルでなく全然違う)ようです
従ってフィスコのスクリーニングは使えません

とりあえず楽天証券・マネックス証券・SBI証券・GMOクリック証券・auカブコム証券ではネットキャッシュでスクリーニング出来ませんでした。

■タワー投資顧問の軌跡

順調に成績を上げ続けたわけではなく浮き沈みが激しかったそうです。
※ファンドの基本戦略は小型株ロング、大型株ショート
①破産した北海道拓殖銀行からニトリ株を買ってテンバガー達成(持ってたら100バガー)
②ITバブルにショートで売り向かい、タイミングが早くてITバブル崩壊前に損切の嵐
③REIT、不動産株で躍進
※RIET初上場でRIETはアセットクラスになると信じて買いまくるも下げまくるが2年間買い続け(ロングの7割がRIET)、その後大きく上昇して爆益
④外国人が謎に日本株を買い始めて大型ショート爆損、ライブドアショックで小型ロング爆損
⑤リーマンショックで大株主だった不動産株がどんどん倒産(勿論ロングしてる小型株も壊滅)の上、GSにマージン変更をされ、さらに顧客解約の嵐のトリプルショックでマージンコール(追証)の危機
→自らの残っていた預金全てをファンドに投入
→倒産した不動産会社がスポンサーだったRIETを買いまくった(スポンサー会社が潰れてもRIETの価値は棄損しないし、政府がRIETを最後の砦として守る気概を見せていたから)結果、大手企業がスポンサーに付き何倍にもなって爆益
⑥リーマンショックで小型株・RIETひたすら買い増しアベノミクスで大復活
⑦コロナショックでRIETと銀行株を大量に仕込み黒田日銀総裁利上げで爆益

逆張り投資家故に何度も落ちるナイフを掴みに行って(特にRIET)最終的な勝利を収めていますが、前提としてファンダメンタルズがあるため落ちるナイフをチャンスに変えれたのだと思います。

ショートに関しては以下のような見解を示されています。
「個人投資家にショートはお勧め出来ないし、ヘッジファンドも「相場が上がっても下がっても儲かる」という営業トークのためにショートしているだけで、損することも多くショートする資金をロングに回した方が良いので、「機会があればやってみよう」程度が良い。
海外には日本株の貸株市場が整備されており、海外のヘッジファンドは安く大量に日本株を空売り可能。
ヘッジファンドであればプライムブローカーに聞けば貸借等が教えてもらえるが、個人はその情報がないのでショートは無謀」


本著ではロング、ショート、ペアトレード等、成功談や失敗談が具体例で多数登場し、割安小型成長株だけでなく様々な投資アイデアを市場で実行し爆益や爆損をしていた事が分かります。
残念ながら、投機家を震撼させたクルーズのタワー爆弾については触れられてませんでした。
割安ではないクルーズをなぜ発行株式数の25%ぐらい?と大量に買ったのか謎のままですが、よくよく考えると恐らく投資資金は20億~30億程度でありタワー投資顧問に取っては些細なトレードでした。

■清原氏が800億円稼ぐために取ったリスク

清原氏は割安小型成長株を買えばローリスクハイリターンと言っていますが、800億円に見合うリスクを取っていたと思います。
そのリスクを挙げていきます。

・集中投資
タワー投資顧問は1銘柄につき運用資産の25%まで投入出来たそうです。1銘柄約2%の塩漬けマンからしたらとんでもない集中投資になります。
それだけ集中投資していたら、当たった時はかなりの利益となります。

・流動性
清原氏がメインで売買するのは小型株なので必然的にタワー投資顧問の資金ではマーケットインパクト(自らの買いで株価を上げ、売りで株価を下げる)が大きくなり、売買したい時に売買出来ない状況になります。
取引コスト大というリスク(ハンディキャップ)を取ったから莫大な資産を築けたのです。

・ショート
ショートのリスクはロングより高いです。本著ではショートを勧めてはいませんが爆益・爆損の実例が多数紹介されていました。

・レバレッジ
個人投資家はレバレッジを掛けるには信用取引(=借金)を使いハイリスクハイリターンとなります。
清原氏はファンドに出資を募る事で借金をせずに保有資産より多く投資をする事を可能とし、ローリスクハイリターンで資産を増やしています。
また、そのファンドの資金の多くも清原氏の出資でしたから必然的に清原氏の取り分は多くなります。
※ただし清原氏のファンドはハードルレート3%(運用フィー1%なので実質4%)の上ハイウォーターマークで日本で一番良心的なファンドでした

上記のリスクをコントロールしつつ、ファンダメンタルズ(テクニカルではない)に基づいた逆張りが清原氏を成功に導いたと思います。
※清原氏は逆張りショートで大損する事はあっても、逆張りロングでは爆益
※ファンド破産の危機に二度もなるも、リーマンショックやコロナショックという何十年に一度の大暴落を逃さず逆張りで爆益だったのが高パフォーマンスの源泉
ただし、それはどんなに辛い状況でも諦めない精神力があって初めて可能であり、根底にはファンダメンタルズによる確信があったので耐えれたのだと思います。

■本著の投資法が向いている人

本著はバリュー株投資の本ですが、グロース株投資も良い点はあり、グロース株で数百億円稼いだ個人投資家も多数おり、大事なのは自分に合った投資法を考えるという事です。
例えば本著の投資法が向いているのは、上記のリスクを取れる人であり、具体的には以下になります。
・若者・・・時間を味方に出来るから(バリュー株投資は時間が掛かる)
・兼業・・・バリュー株は値動きが激しくないので常に監視する必要がなく、小型株は時間のない兼業でも発見出来る独自の投資アイデアをが残っているから
・少額の個人投資家・・・流動性リスクを気にしなくて良いから
・プライドが高い人・・・プライドが高い人は損切が出来ず株では負けますが、本著の投資法は損切をほとんどしなくてよいから
・他人が気づかない成長要素(投資アイデア)を見つける努力が出来るか、業界知識があり気づける人

■蛇足

今現在金利高でバリュー株は上げる市況ですが、通常時は全く上がらず新興グロース株と比べて上昇速度が遅すぎます。
バリュー株を見つけるまでは清原氏の示した計算式によって機械的にリストアップ(低PER・高ネットキャッシュ比率)出来ます。
※高PERでもバランスシートを精査して割安という事はあるので注意
しかし、それらはダメな会社ばかりで、その中から成長株を見つけるというのは非常に難しいです。
一生懸命調べて成長株だと思って買った株がそうではなかった場合、バリュー株はダメな会社だから割安放置されるのであって、確かに下げ幅は小さいかもしれませんが、適正水準まで上がるのに莫大な間が掛かります。
バリュー株は金利高市況では普通に上げる確率が高いですが、そうでなければ忍耐を伴います。
そして下がった時に「一生懸命調べたんだからこれは成長株のはずだ!市場が間違っている!だから損切なんか出来るか!清原さんも30%程度で損切するなって言ってた」と、ダメな会社の偽成長株を掴んで時間と金を失う事になります。

清原氏がコロナショックで銀行株を大量に買って爆益と言っても、銀行が上がるバリュー株市況が来る前にコロナバブルで清原氏の投資法では絶対に買う事のない新興グロース株が意味不明に信じられない程暴騰し、億り人を量産しました。
その間も新興グロースに比べて圧倒的にパフォーマンスの劣る銀行株を持って耐えていた人だけがバリュー株市況(+日銀金融政策正常化の追い風)の果実を得ることが出来たのです。
まぁ、その代わり新興グロースは金利が上がったら暴落必死の上、下がる速度も速すぎるけど、バリュー株は大抵の事では暴落はしません。
バリュー株投資は高いファンダメンタルズの知識と、他人がグロース株やマネゲでぼろ儲けしてる時に心が揺るがない仙人のような悟りの境地と、~~ショックの大暴落時でも動じない信念と、そうなった時に買い増せる資金管理勇気が求められるので、自分にそれがあるか十二分に自己分析してから始めてください。

他にもマネーゲームでは糞株であればあるほど短期間で大きく上がり(数日で2~3倍はザラ)短期で利確必須なので効率が良いですが本著の投資法では勿論購入対象外です。
つまり、時間も考慮して考えるとバリュー株もグロース株も糞株ですら同じリスクとリターンになります。
その中でそれぞれの銘柄属性・材料・投資アイデア・ファンダ(割安・成長)・金利為替等外部環境・市況を考慮して自分の能力でエッジ(優位性・プラスの期待値)を見つける事が出来る銘柄選択、そして自分の性格で勝てる投資法をするのが大事だと思います。

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