2015-04-03 21:23 | カテゴリ:所見日記
来週バイオのIPO(サンバイオ)があるので詳しく調べてみました。
関連銘柄である、大株主の大日本住友製薬(時価総額5000越え!)の株価を暴騰させたので、凄いバイオ企業なのかと思って目論見書を見てみて、唖然としました・・・

これやばそうですね・・・悪い意味で・・・

業務内容は非常に良いです。
再生細胞薬という薬で脳梗塞等(外傷性脳損傷、加齢黄斑変性、網膜色素変性、パーキンソン病、脊髄損傷及びアルツハイマー病等)の脳内の失われた機能を薬で治療するという、夢のような開発をしています。
※従来はリハビリで治していたのを投薬で治せるのです。
※しかも患者自身の細胞から作った再生細胞薬でなく、ドナー(細胞提供者)から作った再生細胞薬なので、量産化が可能な上、その技術は確立されているそうです。

上記に書いたような病気は身近な病気であり、患者の数は莫大です。

しかもサンバイオは基礎技術や特許はしっかり確保し、なんと自前で臨床試験までした上でパートナー製薬会社に開発権及び販売権をライセンス許諾するビジネスモデルとなっています。
一番お金の掛かる臨床試験まで自社でやることで、収益最大化を目指していると共に、相当薬に自信がないとここまでのリスクは取れません

・・・ここまでは凄くいい感じじゃないですか・・・
問題はここからですっ!

パイプラインで一番進んでいる脳梗塞細胞医薬品「SB623」でもフェーズⅡです。
上市まで後5年以上は掛かるのではないでしょうか・・・
その他の薬はフェーズⅠにすら入っていません・・・

前期5億円の赤字企業です。
今期は脳梗塞細胞医薬品「SB623」について大日本住友製薬と北米での共同開発及びライセンス契約の締結による一時金により第三四半期で24億の黒字となっています。

つまり、まだまだ開発した薬での収益化は出来ておらず、後5年以上は先になりそうという話です。
自社で臨床をやっているので莫大な資金が必要なため、上場で資金調達という話だと思います。
現在の収入はライセンス契約による一時金と臨床試験の進捗があった際のマイルストン収入のみ・・・つまり、今はまだ業績を一切期待して買ってはいけません
夢を買う段階です。

そしてこの会社「SB623」がこけたらアウトですね。
「SB623」が上市出来るかどうかは専門家でないので、「自社でリスクとってお金を掛けて臨床してるんだから自信があるのだろう」とか、「あの大日本住友製薬が莫大な契約金を払っているのだから大丈夫だろう」ぐらいしか分からないです(´・ω・`)しょぼーん

また再生細胞薬分野において、サンバイオが優位性を保てるかも、専門家でないので分かりません。
※この分野の治療薬はまだないので、いち早く上市出来れば独占市場となりますが、競合他社の動向が気になる所です。

そしてこの会社は取締役3名、監査役3名、従業員2名、子会社従業員11名の小規模組織です。
社員19人の会社が上場で149億円手にし、時価総額872億円の企業になる(※公募価格での想定)・・・ん~・・・どうだろう・・・

次に投機的な視点です。

上でも書きましたが、吸収金額149億円は論外です。
ベンチャーキャピタルは約22%程度と高い保有率で、ストックオプションも大量です。
※ロックアップ掛かっていますが1.5倍解除・・・ただし恐らく公募割れするでしょうけど

塩漬けマンは多分スルーしますが、最近の傾向として、塩漬けマンがスルーしたIPOは上がる傾向があるので、塩漬けマンの逆を行きたい人や、再生細胞薬の夢に掛けてみたい人や、専門知識を持ちサンバイオの将来性を見抜いている人や、バイオだから最初はさすがに暴騰するだろうという短期マネーゲーマーは買ってみてもいいのではないでしょうか(´・ω・`)しょぼーん

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