2021-06-19 11:06 | カテゴリ:勉強や投資情報
2021年6月第四週IPOまとめの前半です。
多すぎ・・・IPO同士に資金分散でマネゲが起こらず、それに資金が吸収されて新興は閑散になりそう。
ヤバいぞこれは・・・
多すぎるので前半と後半の二回に分けます。リートは省略しますね。

五月事変以降の傾向として、早く寄るのにマネゲが起きない(=参加者が減っている)です。
なのでかなり厳しめのバイアスを掛けています。

※SOはらすたねこさんのツイッターを参考にしています。

■6月22 (火)

[4882] : ペルセウスプロテオミクス
市場:東M (医薬品)
事業内容:医薬品等の研究開発、製造、販売
公募株式数:総計:3,300,000株(公募:3,300,000株 / 売出:0株)売出株式比率:0.0%
公開価格:870円
吸収金額:33.0億円
時価総額:101億円
ロックアップ:VC多数で、さらに第一位株主の富士フイルムまでもが1.5倍ロックアップ解除
SO:704000(602000ロックアップ)
【塩漬け評】
東大発バイオベンチャー。コロナ禍で上場延期しており、その時の公募価格は540円~600円だったのに・・・たった1年で何が変わったというのか?
当たり前だけれども、清々しいまでの赤字バイオ。もはや業績の数字など載せる意味はない。
これ、売出0ってどういう事だろう。どうせ1.5倍以上で寄るので、そしたら売る気って事?!
抗体による癌治療を対象にした治験を勧めています。
20210614PPMXパイプライン
中型だけど、この程度なら多分1.5倍以上で寄りそうで、という事はVC売りで撃沈しそうです・・・イナゴパワーでステラファーマみたいに初日だけ一泊二日のマネゲいけたら奇跡って感じ。
尚、1.5倍以下で寄っても、今度は1.5倍が心理的な節目になるので上値は知れてるので撃沈しそうです。

[4489] : ペイロール
市場:東M (情報・通信業)
事業内容:給与計算業務等のアウトソーシング事業
公募株式数:総計:6,838,000株(公募:428,000株 / 売出:6,410,000株)売出株式比率:93.7%
公開価格:1,380円
吸収金額:108億円
時価総額:247億円
ロックアップ:上位6位株主までがVCだが、ほぼ全員に90日・180日解除条項なしのロックアップ
SO:
【塩漬け評】
社長は第八位株主でたった5.46%保有。売出株式比率93.7%と、ほぼVCイグジット案件。尚、売出は一部海外売出有り。
会社沿革を見ると、大株主がどんどん変わってて、最終的に今の株主構成になったっぽい・・・
数字は以下の通り
[22年3月期予想]売上85億(+14.5%) 営利15億(+22.7%) 営利率17.6% EPS61円 PER22倍
給与のアウトソーシングサービスで業界No1企業。ソフトを作って自動化やSaaSもあるみたいだけど、労務費が38億も掛かっているので人海戦術の古いやり方もやってるっぽいです。
ただし、ソフトウェアの減価償却費が5.7億もあるので、見た目の数字以上に稼いでおり、減価償却を除くと営業利益率は24%にも及びます。
大型の部類でVCイグジット案件で低く寄る可能性があり、残ってるVC分含めてロックアップは1.5倍解除なしで完璧なので、あくまで早く寄れば成長率・営業利益率は悪くないのでありかも。

[7372] : デコルテ・ホールディングス
市場:東M (サービス業)
事業内容:フォトウエディング、アニバーサリーフォト等のサービスを提供するスタジオ事業、及びフィットネス事業
公募株式数:総計:3,676,600株(公募:70,000株 / 売出:3,606,600株)売出株式比率:98.1%
公開価格:1,720円
吸収金額:72.7億円
時価総額:97.5億円
ロックアップ:第一位株主が87%保有のVCで66%を売り出す上に1.5倍ロックアップ解除。その他はほぼ360日or180日ロックアップ
SO:0
【塩漬け評】
VCイグジット案件の上にフォトウエディングとかフィットネスとかもろコロナ悪影響銘柄。ただし、フィットネスは売上の3%未満なので無視してよく、挙式事業は譲渡済み。
数字は
[20年9月期実績]売上36億(-22%) 営利4億(-53%) 営利率11% EPS30.8円 PER55倍
[21年9月期予想]売上47億(+29%) 営利8.5億(+104%) 営利率17% EPS93円 PER18倍

20年実績はコロナの影響をもろに受けて減収減益だけど、今期は復活して19年の業績に戻る予想。事実2Qまでの進捗率は好調。これ、公募割れするでしょ。そしたらありですよね。少子化で成長性とかは微妙だけど、コロナを乗り越える過程で儲かる体質に改善し、多分売上は予想通りだけど、営業利益は上方修正で10億を超えると思うので営業利益率は25%に迫る可能性あり。ただ、成長株ではないので、株価がフェアバリューを超えて上がる程人気化するとは思えないので、公募割れで買うにしても薄利を取りに行く感じ?というのも、1.5倍を超えると残ってるVC分約170万株が降ってくるから。

■6月23 (水)

[7373] : アイドマ・ホールディングス
市場:東M (サービス業)
事業内容: 営業DXツールの開発・活用支援や就労支援サイトの運営などを手掛ける。
公募株式数:総計:1,370,000株(公募:950,000株 / 売出:420,000株)売出株式比率:30.7%
公開価格:1,930円
吸収金額:30.4億円
時価総額:142億円
ロックアップ:VCが1.5倍解除だけど約47万株(約8%)程度と少なく、残りは全員に解除条項なしの180日ロックアップ
SO:283800(259200ロックアップ)
【塩漬け評】
DXとかプラットフォームとか今風に名乗ってるけど、要するにテレアポ代行の会社。今まではスポットコンサル的なフロー系収益だったけど、SalesCrowdというテレアポ支援システムのストック型収益サービスを拡販してストック型収益を増やしたい模様。
[21年8月期予想]売上34億(+90%) 営利7.6億(+265%) 営利率22% EPS72円 PER26倍
まだストック型収益が少ないと予想されるので必要ないかもだけど、サブスク系指標を出すとこんな感じ。
PSR4.1倍 40%ルール90+22=112
売上比率はこんな感じ
・セールスプラットフォーム(営業支援) 81.1% ※テレアポ
・ママワークス(在宅ワーク求人サイト) 14%
・meet in(遠隔面談) 4.9%
数字が良くて注目されるので詳しく調べてみました。
まず、メイン事業のテレアポは具体的には↓こんな感じ
20210619アイドマ
ただのテレアポ代行でなく、企画から携わり実行し、受注したパターンのノウハウを蓄積・検証し必勝パターンを納品までします。
しかし、実体はこんな感じ・・・
常識を疑わざるを得ない会社を語る
・・・アイドマの営業電話、かなりうざいようです・・・ノウハウ蓄積以前に社員やバイトに教育をお願いします。
後、同業他社を調べてみたら、他のテレアポ代行業者も同じような事をしています。
soraプロジェクト・・・営業戦略の提案・策定も行い、250万件独自データベース活用
ウィルオブ・ワーク・・・ウィルグループの子会社で大手から受注多数。市場調査から営業戦略立案からテレアポ実行、商談・成約、ノウハウ伝授までサポート
てか、テレアポ代行業者って沢山あって、まとめて紹介されているサイトにアイドマはなかったです。
尚、テレアポ代行を子会社に持つウィルグループの数字はこんな感じ
6089ウィルグループ PER12倍 PBR2.68倍 営業利益率2.8%
※売上1210億の内、テレアポ代行子会社分が463億円

テレアポ代行の会社の株が欲しければウィルグループでいいような・・・配当2.5%あるし。
ただし、営業利益率が雲泥の差でアイドマが良いし、数字がバリュー(ウィル)とグロース(アイドマ)ぐらい違いので、ウィルグループと比較するのは適切ではないです。

次にマネゲテーマにもなる在宅ワークサイトのママワークスですが、注意喚起がされています。
アイドマホールディングス(三浦陽平)は怪しいという評判
まぁこれはしょうがない面があると思います。塩漬けマンもOmiaiやってたけど、明らかに詐欺師がユーザに紛れてて、それを排除するのは運営会社には難しいです。ただ、自社のテレアポ要員もママワークスで募集しているようです・・・迷惑テレアポとなっている理由が分かりましたね。
これは置いといて、「アイドマ ホールディングス 怪しい」とかでGoogle検索すると以下のようなサイトが出てきます。
在宅コールセンターは詐欺もある?怪しいと思ったら4つのポイントをチェックしよう!
上記のサイト、見なくていいですよ。まとめると以下の感じの典型的な詐欺系の商品やサービスに誘導するアフェリエイト目的の記事です。
怪しい→調べたらまともだった→登録して稼ごう!
こんなのばっかり出てきます。↓これも。
ママワークスは迷惑電話が多いの?2ch・5chの口コミ評判からわかったこと
大事な事なので二度言いますが、この手のアフィリエイト記事の手口は詐欺的な商品やサービスを勧める時のテンプレートです。
詐欺・怪しいと言われている→調べてみたらまともだった→やってみよう
この流れです。
だからと言って、別にアイドマホールディングスが詐欺会社だと言っている訳ではないです。
アフィリエイターが金儲けするためにこういう記事を書いているだけで、アイドマホールディングスは知らない事だと思います。
中にはもっと悪質なのがあって、ママワークスとクラウドワークスを比較して、「ママワークスはダメだからクラウドワークスにしよう!」と、同業他社を貶める事でクラウドワークスに誘導してアフェリエイト収入を得ようとしているサイトもありました。
勿論クラウドワークスが知らない所で勝手に行われている行為だと思います。※クラウドワークスが指示してたら問題ですもんね。

上記の宣伝手法やテレアポ電話の不評を見てても、テレアポ出身の会社らしく、営業だから仕事取ってくるために何してもいいみたいなのが根底にあって、世間一般の常識とズレてる感覚を持っており、それが悪評に繋がっていると思います。
でも投資家はそういうのはどうでもよくて数字しか見ません。
そして数字が良いので中型でもマネゲ化する可能性があります。しかしテレアポ代行の会社ではマネゲで一番大事な夢がないです。

[7791] : ドリームベッド
市場:東2 (その他製品)
事業内容:ベッド・リビングソファ・インテリア用品の製造、販売
公募株式数:総計:1,715,800株(公募:860,000株 / 売出:855,800株)売出株式比率:49.9%
公開価格:1,460円
吸収金額:28.8億円
時価総額:60.6億円
ロックアップ:持ち株会を除くと合計48%を保有する1~3位株主が1.5倍解除。てか広島銀行・もみじ銀行・商工会と地銀系が皆1.5倍解除で売る気満々なんですね・・・第一位株主のVCは50%売出で残りは1.5倍解除で売るつもりっぽい
SO:0
【塩漬け評】
もう数字はいらないでしょ。成長しておらず、低い営業利益率。地味系の象徴東証二部に上場。この手の会社が買われる理由は一つだけで配当狙いのバリュー株投資。
配当は20円で公募価格で配当利回り1.3%では無理ゲー上場する目的はVCと地銀がイグジットして金儲けするためでしょ。
ただ、不人気案件で低く寄ったら、マネゲ範囲・・・でも1.5倍以上ではVCと銀行売ってくるでしょうね。

[7345] : アイ・パートナーズフィナンシャル
市場:東M (その他金融業)
事業内容:金融商品仲介業を基軸としたIFAによる金融サービスの提供事業
公募株式数:総計:100,000株(公募:100,000株 / 売出:0株)売出株式比率:0.0%
公開価格:3,120円
吸収金額:3.58億円
時価総額:24.6億円
ロックアップ:株主に個人名しかなく、全員解除条項なしの90日ロックアップ。第一位株主がその他113名(14.33%)って・・・
SO:86600(81800ロックアップ)
【塩漬け評】
4月に「顧客より法律違反の訴訟」で上場延期し適法性を確認したと6月上場。
ファイナンシャル・アドバイザー(投資のホームドクター)。
これは下手したら初値3倍案件ですね。公募参加する人はいいけど、セカンダリーは勇気が試される需給戦
[22年3月期予想]売上45億(+12.6%) 営利2.2億(-6.3%) 営利率4.8% EPS217円 PER14.3倍
公募価格でちょい割安?って感じだけど、初値高騰必至(人気になりそうだったり成長性が優れている会社だから初値高騰じゃなくてただの小型需給プラチナチケットという投機的理由による初値高騰でバリュエーションを論じる意味はない。セカンダリーはただ単に伸るか反るかストップ高かストップ安の1/2ギャンブル・・・なんだけど、最近IPOマネゲ起きないので、かなり分の悪いギャンブルに見える。

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