2020-10-31 11:19 | カテゴリ:勉強や投資情報


今回はいつもの、本のまとめではないです。
『天才数学者、ウォール街とラスベガスを制す』はソープの自叙伝なので、まとめても意味ないので。
彼の活躍については、別の本でまとめをしています。
『天才数学者はこう賭ける 誰も語らなかった株とギャンブルの話』まとめ

んで、あまり読む気が無くて、凄く時間掛かってて、やっとカジノ編(ブラックジャック、ルーレット、バカラを数学で攻略)が終わってウォール街編に入った所です。

面白い箇所があったので、チラっと感想です。
ソープは投資を始めるにあたって、ファンダメンタルズからテクニカルまで、伝説の投資家が書いた本や皆が必ず読む古典や難しい理論書や実用書から雑誌に至るまで、ありとあらゆる投資関係の本を読んで、一般人とは違う感想を抱きます。

一般人:この本に書いてある事は凄い!この本の真似をしたら自分も勝てる!
ソープ:本の内容はほとんどゴミ。何の役にも立たないのに、これらが読まれているという事は市場参加者はカジノのギャンブラーと一緒で無知な連中が多いから、自分が研究したら勝てる!

「勝てる」という結論は一緒だけど、その思考過程が真逆です。
結局、勝ち方は他人から教わる物ではなく、自分で見つける物であり、愚か者が多い市場であるほど、勝てる機会は多く、従って大型株(機関投資家によって分析し尽されている)よりも、小型株の方がチャンスが多い(分析でなく妄想や思惑で買ったり煽り屋を信じる愚かな個人投資家が多いから。勿論塩漬けマンを含めて。この自分も愚かであると自覚しているかどうかというのが大事)という事です。

またソープは、モメンタムについて興味を持って調べている過程でテクニカルも一考の余地があるのではないかと考え、テクニカルのスペシャリストから過去の価格推移等のデータを貰い、自分でも研究・検証した結果、テクニカルは無価値という結論に達しました。

ソープ「今までの株価とこれからの株価は無関係」

ソープと一緒にスロット攻略の研究を行い(その成果は世界初のウェアラブルコンピュータと言われている)、20世紀科学史における、最も影響を与えた科学者の一人であり、携帯電話、電子メール、インターネット、ストリーミング等を実用化する理論を発表し、「情報理論の父」と呼ばれる天才数学者クロード・シャノンもテクニカルを研究して「テクニカルはノイズ」と切り捨てています。
尚、シャノンは数学者なので投資成績は発表されていませんが、取材した記者により、バフェットよりも投資パフォーマンスが優れていたそうです。
※シャノンは自身が天才数学者であるので、技術革新系の会社を見抜くのを得意としており、グロースのファンダメンタルズ分析により将来必ず流行る業務をしている会社の株を買い、超長期保有する事でヒューレット=パッカード社では3500倍のリターンとなっていた。

ブラックジャック攻略法(カードカウンティング)を大成し、そのルールを変更させた(=カジノに勝った)天才数学者にして、裁定取引(デルタヘッジ)で市場平均に勝ち続けてクオンツのゴットファーザーと呼ばれたソープと、情報理論の父と呼ばれる天才数学者にして投資でバフェットよりパフォーマンスが優れていたシャノンの両方が研究した結果「テクニカル(チャート)は無価値」と断じているのに、セミナーや本でテクニカルを説明している人達って、彼らより頭いいのかな?って疑問に思っちゃいます。
また、それらを見て、鵜呑みにして「よ~し!明日からテクニカルで勝っちゃうぞ♪」なんて考えている人がいると思うと、ビックリしてしまいます。
残念ながら日本ではテクニカルとは、投資を利用して金儲けをしようと企む連中が、情弱から金を搾取(本の印税、セミナー、有料サロン、有料メルマガ、有料Note等)するツールとして利用されているのが現状となっています。
※何度も書いているけど真のテクニカルを除く。真のテクニカルについては過去記事参照

勿論、多くの効率的市場仮説(株で市場平均より勝つのは不可能)を唱える学者がいるのに、実際は株で勝ち続けている投資家は存在しているので、学者の言う事が必ず正しいわけではありませんが、ソープやシャノンはむしろ逆に、効率的市場仮説に反対する立場で、「株で必然的に勝てる」と言ってて、その方法論としてテクニカルは無価値という結果しか導き出せなかったという訳です。

ではソープが行った投資必勝法はどのような物かというと、同じ会社のワラント・オプション・転換社債等の中から、適正価格を計算し、割高と判明したのをショートして、現物株をロングするという裁定取引(売り買い両建てでヘッジし、リスクフリー)で100%利益を出す(=必勝)という方法でした。
※たまたま社債保有者に有利な発表が行われ(社債ショート踏み上げ)、現物株に悪材料が出る(ロング含み損)可能性もあるので100%ではないケースもあるが、そういうトレードはエッジが小さいので掛け金も少ない=ケリーの法則を利用
※アウトのタイミングは割高が是正されて適正価格になった時で、その時にロングもショートも同時に決済する
※勿論、ワラント等が割安だったら逆にロングして現物株をショートする
※配当とか利子とか行使条件とか会社が倒産した場合に社債がどうなるかとか、そういう事まで全部入れて計算しないといけないので、かなり複雑な上に、保有数を価格の変動に応じて調整(=デルタヘッジ)しないといけないので、実際やるのは超大変
※今はブラック–ショールズ方程式(彼らはこれでノーベル経済学賞を受賞した)があるので、誰でもオプション等の適正価格を計算出来ますが、ソープは彼らがその公式を発表する遥か前に独自に適正価格を計算する公式を考案していた=それが当時ソープにしか出来なかったエッジ(優位性)
※実はブラックとショールズもその方程式を研究している時に、クオンツの先駆者であるソープに相談していたようです
※現在では市場はより効率化・高速化し、裁定機会はほとんどなくなっているので、個人投資家は裁定取引で勝てなくなっています


やっとウォール街編に入ったので少しは読むスピードが早くなるかもですが、内容が具体的で難し過ぎて、読むのは苦痛なんだろうな・・・



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