2014-02-08 15:44 | カテゴリ:所見日記
毎日株かぶカブカブ言ってますが、塩漬けマンは農家なのですよ(`・ω・´)キリッ

まだ研修生ですけど

というわけで、今日は農業のお話です。

今は葉物野菜の土耕の施設園芸(ビニールハウス)の研修をしています。

全部A品のLが出来ると、月80万以上売り上げれるそうです。
ぼろ儲けですよね。
でも・・・実際は・・・今月とか赤字です。

どうしてかというと、以下のような理由です。
・ナメクジがちょっとでも食べた野菜は捨てる(※B品になるが、B品は採算取れないので廃棄)
・ベト病になった野菜は捨てる(食べるのに問題なくても消費者気にしなくても廃棄)
・アブラムシのついた野菜は捨てる
・発育不良で2/3はM。Mは三つで一袋、Lは二つで一袋の上、Mは安い。
・発育不良でMより小さい規格外品はほぼ廃棄(美味しいのにね・・・)


ナメクジやアブラムシが大量発生したら、ハウス内全部捨てることになるので、その月の収入は0どころか大赤字という厳しい世界です。
でも病気や害虫は農薬で回避出来るので、まだいいです。

一番下の発育不良が大問題です。
発育不良が起こる原因は、冬の今ですと、雨や雪の時にビニールハウスの側面からしみた水分により、土が常に湿った状態となってしまうことです。
水分が多いと根が張らなくて、栄養を摂取しなくなり、小さい野菜となります。

逆にビニールハウスの真ん中は水分がない乾いた状態ですので、しっかりLで育っています。

ということはビニールハウスの側面から雨が降った時等、水がしみて来る事を防げば、毎月爆益です。

しかし答えはわかっていても、これが難しいです。

まずビニールハウスの中の両側面にあぜシートを入れて、水がしみて来るのをガードしようとしました。
大変ですよ・・・スコップで掘ってシート埋めるの・・・配水管とかあるからユンボは使えません。

でも・・・多分これ効果ないどころか逆効果かもしれません。

潅水パイプで散水(水は全体に一斉に放水する方式)した水がビニールハウスの外に逃げなくなる可能性があります(笑)
雨が降った時ってガンガン水がしみてくるのですが、かなり下(あぜシートの下)からしみて来ていたら、意味ないです。

そこで次に考えられるのは、雨が降った時にちゃんと水を農水路に逃げるようにすること。
実はハウスの脇には溝が掘ってありますが、モグラや鹿のせいで、崩れたりして、水が流れず貯まりまくっています。

この寒い中スコップで掘りましたよ。
農場主と「医療ではSTAP細胞とかですごい事やってるのに、農業はいつまでこんな原始的な事をやらないといけないのか・・・」と愚痴をこぼしながら、固い土を掘りましたよ。

でも考えてみてくださいよ。
農水路に水が逃げるようにするには傾斜をつけなければいけません。
50Mぐらい傾斜をつけて溝を掘る・・・不可能っしょ!
先の方とか超深くしないといけません。
土固すぎてスコップじゃ彫れません。
ユンボ?ビニールハウスとビニールハウスの狭い間にそんな機械入りません。

そして一番効果があると思われるのが、ビニールハウスの外の側面の下側に、雨水が溝へ流れるようなビニールをつけること。
スカートみたいなイメージです。
ビニールハウスに降った雨が側面をつたって下に落ちるのですが、地面にたどり着く手前で溝へ流れるようにするわけです。

やった!万事解決・・・にはならないです。
文章じゃ説明出来ないのですが、台風で飛ばされないように固定するバンドなど等で、物理的にこれを設置することは出来ません。
設置するにはそのビニールを切らないといけません。
切ったら意味ないでしょ!

さて、農場主が他の人のハウスに行って見たら、なんとほぼLで完璧に野菜が栽培されていたのです!
側面を見るとある程度は湿っています。

条件は一緒なのに一体どうやってLばかり作ったのでしょう。

答えは発想力の転換が必要です。

水がしみて来るのは防ぎようがないので、逆に水をやらないようにしたそうです。
え?そうすると、側面はいいけど、真ん中に水が全くいかないですよね。
なんと真ん中だけ潅水チューブを通して散水する仕組みにしたのです。

全体散水をしないので、側面の水分はしみて来る分だけで、少なめに出来ます。
でもやっぱり常に湿っているので根は弱いです。
そこで、側面はたっくさん肥料をやるのです。
ちょっとおかしいぐらい側面にはたくさん肥料をやることで、弱い根でもLが作れるそうです。

農業も株も答えは一つじゃないです。
そこが面白いのですが。

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