2019-04-29 09:46 | カテゴリ:勉強や投資情報
Netflixに『マネー・ショート 華麗なる大逆転』があったのでまた見てみました。
一度目はCDOもCDSも区別付かないような知識がない状態で見たので、よく分かりませんでした。
ちゃんと金融知識を持って見ると、やっぱり相当面白い映画です。
最低限以下を知っておけばいいです。

CDO・・・MBO(不動産担保証券)の中でも、焦げ付く可能性が高いサブプライムローン焦げ付かない格付けAクラスとかの優秀なローン混ぜて格付けはAクラスとか実態よりも高い金融商品(債務担保証券)。どうしてサブプライムローンが混ざってるのに格付けが高いのか?格付け会社が手数料欲しさに無審査で適当に銀行の言われるままに高い格付けをしたから。
※ここではMBO≒CDOと考えて読んでください。

CDS・・・債権の保険となる仕組み。保証料(プレミアム)を支払う代わりに債権が破綻した時に損失が保証される。CDO(MBO)でCDSを発行すると、CDOが焦げ付いたら(住宅ローンが破綻したら)損失が保証される代わりに、毎月保証料を払う。要はCDO保有者が保険として購入するべき商品だが、CDOを保有していなくとも売り手と買い手がいれば自由に売買可能で、転じてCDO(だけでなくあらゆる債権)をショートする金融商品と同義となる。

※この二つがアルファベット1文字しか違わないのに、CDOがロング用の金融商品、CDSがショート用の金融商品と真逆なので知らない人は迷うんですよね。

主な登場人物は4陣営です。それぞれに実在のモデルがいるそうです。

医者出身ファンドマネージャ・・・一番最初に住宅市場バブルに気づいた。彼は何千ページと量が膨大過ぎて、作った人ですら読んでいないMBO(不動産担保証券)の目論見書を精査し、バブルである事を見抜きました。しかしそれをショートする手段がない。そもそも「絶対に破綻しない=ショートする意味がない」と思われていましたから。そこで銀行に掛け合い、MBOのCDS契約を行います。住宅ローンが破綻しない限り銀行は保証料を毎月得られ、100%破綻しないので100%銀行が儲かる取引であり、医者出身ファンドマネージャが契約後に会議室を後にすると、「馬鹿だw馬鹿が金を捨ててったぞwwwww」と狂喜乱舞しています。勿論馬鹿は銀行側だったわけですが。彼は他の銀行でもMBOのCDS契約を行い総額13億ドルに及びました。

銀行営業マン・・・金儲けの事しか考えていない銀行営業マンがMBOのCDSを大量に買っている愚かなファンドマネージャ(上記の医者出身ファンドマネージャのこと)がいると仲間から聞きます。しかし彼も住宅市場バブルに気づいていたのです。これはビジネスになると、自らもCDSを営業して手数料で金儲けをしようとしました。住宅ローンが破綻したら自分の勤めている銀行(=CDSの売り手)が破綻するにも関わらず、自分さえ金儲け出来れば良かったのです。

モルガン傘下ファンド・・・上記の銀行営業マンが間違えて電話を掛けたのがここでしたが、このファンドはMBOのCDSに興味を持って銀行営業マンから話を聞きます。しかし、住宅市場がバブルである事が信じられません。彼らは自ら新興住宅地へ出向き、誰が買っているのか?誰が売っているのか?現地調査をしてバブルを見抜きます。何しろ彼らが現場で見たのは、買い主は契約書にペットの名前を堂々と記入し行方不明、ストリッパーが5件も豪邸を買っている、売ってる営業はローン審査等の書類に嘘を書くのを犯罪と認識せず喜んで自白(自慢話で)する詐欺師だったのです。ファンドのリーダーだった男は悪が許せない性格で、公然と政府公認で詐欺が行われている事に怒り心頭してCDSへの投資を決めます。

若い二人の自己資金ファンド・・・大きな取引をするための資格を得るために大手投資銀行に行ってロビーで相手にもされなかった時に、同じくロビーで追い返された上記銀行営業マンが机に置いていった資料からMBCのCDSを知ります。彼らはどうやって住宅市場がバブルである事を知ったのか。実は知り合いに大手投資銀行出身の伝説のトレーダーがいて、彼に聞いた所、確かに住宅市場はバブルで、MBOのCDSは金儲けになると。

こうしてMBO・CDOをCDSを使ってショートした三陣営ですが、その結果は・・・勿論みんな知っていますが、そこへ至るまで死ぬほど苦労します。
何しろ、住宅ローン会社が破綻したので、MBO・CDOは暴落しないといけないのに値上がりするのです。
モルガン傘下ファンドは銀行営業マンを呼びつけて「騙された!詐欺だ!」と怒り狂います。
そこで銀行営業マンはこう言います。
「確かに銀行は詐欺師だ。ただし、ただの詐欺師じゃない。大馬鹿者の詐欺師だ。そいつらが君達(=ショート陣営)の敵(ロング陣営)だ。敵がどれだけ大馬鹿者か知れば君達(ショート陣営)が正しいか分かるだろう」
と、敵(ロング陣営)を知るために住宅ローンの投資イベントが行われているラスベガスへ連れて行きます。
そこで横行していた詐欺まがいの行為にさらなる怒りを持ってCDSの買い増しを決意します。

同じく若い二人の自己資金ファンドも自己資金が尽きかけて、損切するかナンピンするかの岐路に立たされていました。
そして彼らもラスベガスへ行って調査します。
そして確信します。自分達は間違っていないと。そしてナンピンを決意しますが、もう資金がありません。
そこで彼らが手を出したのはA格付けのCDOのCDS。
さすがに格付けが高すぎて、破綻はまずしないと思われていたので、その保証料は激安(=激安でショート可能)でした。
※A格付けのCDOのCDSはさすがに医者出身ファンドマネージャも、モルガン傘下ファンドも買っていませんでした。

・・・って感じで話はクライマックス・・・世界経済の破綻へと向かっていきます。
塩漬けマンも大量ショートする時はこの映画の主人公達になり切って、「おりゃぁ!!世界経済は破綻するんだぜぇえええ!!!」って気合を入れてショートしてますよ。数日で「やっぱや~めた(・・。)ゞ テヘ」って返済していますけど。

もう一回見て思ったのは、やっぱり邦題ミスってますよね。
「華麗なる逆転」っていう爽快劇ではないです。
医者出身ファンドマネージャは出資者・協力者全員を敵に回して、愚か者扱いされて、ファンドを閉じますし、モルガン傘下ファンドのリーダーは住宅市場で行われている巨大詐欺が許せなくて正義のためにショートをしたのであり、その正義のせいで世界経済が破綻し多くの人が苦しむ事に彼自身苦悩します。
若い二人の自己資金ファンドも勝利を確信して大はしゃぎしていたら伝説のトレーダーに「分かっているのかっ!我々の勝利はアメリカ経済の敗北だ。国民は家や仕事や年金を失う。1%失業率が上がれば4万人が死ぬんだ。二度と踊るな!」と怒られ、破綻した直後のリーマンブラザーズ本社へ忍び込んで、そこはあこがれの場所だと思っていたのに何もなく、ただただ虚無感の中でたたずみます。
原題の『The Big Short』か原作の『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』でいいような。

しかし、歴史は繰り返すのでバブルに気づいたらこの映画の主人公達のように、ショートしなきゃですよね。
ビットコインバブルはショートするどころか、バブルで狂喜乱舞した側でしたし。
でもチューリップバブルを超えたと言われたビットコインバブルですが、塩漬けマンが買ったのはビットコイン価格が20万円で、今60万円だから、まだ利益は+200%で余裕で勝利状態です。
※実際は買い増していったので平均取得単価は高いですが。
一方天井の200万円で奇跡のショートが出来たとしても利益は+70%です。
あれ???どこまで上がるか分からないバブルで無限大のリスクを背負ってショートするより、いち早くバブルに乗った方が儲かるね・・・しかも塩漬けマンの20万円ってそれでも遅い方でしたからね・・・

通常のショートの利益(最大でも掛け金まで)ではなく、CDSとかオプションのプットのように、掛金の何倍もの利益になるような金融商品でないとショートの利益はロングには遠く及ばないです。
レバレッジを掛ければいいのですが、それってリスクも同じだけ増えますしね・・・

とりあえずバブル(やばい)と言われているもののリストです。
【アメリカ】学生ローン・・・対策されてるし長年言われてて実際は全く問題になっていない
【アメリカ】自動車ローン・・・長年言われてるけど、自動車は流動性が高いので問題になりにくい
【アメリカ】CLO・・・格付けが低い企業への融資をまとめたローン担保証券(CLO)の残高がリーマン時の二倍に増加(68兆円)
↓米証券化商品残高(出典:日経新聞)
米証券化商品残高
【ドイツ】ドイツ銀行CDS・・・約7500兆円のCDSを発行してるとか・・・でもCDSも規制されてて問題にならないっぽい
【中国】不動産バブル・・・2011年頃から言われてるけど一向に崩壊しないが、空き室5000万戸(別ソースでは4億5734万平方メートル)となり、莫大な金利を不動産会社は払っており、賄うために社債を発行しているが、買い手がおらずついに社債金利が7%を超え15%になっており、住宅価格が下落すると社債の金利が高いだけに打撃が大きくなる。
※もう崩壊しているのかも。温州とか。崩壊して今程度の影響だとしたら中国凄いね。
【中国】シャドウバンキング・・・5年前からヤバイヤバイ言われているけどまだ持ちこたえている。銀行が貸せないヤバい所へ、個人が融資している。民間金融という事で銀行規制を受けずに短期(1年以内がほとんど)高金利融資が行われているが、実際は理財商品として銀行で販売されているし、他にはP2Pでネット企業が仲介をしている。借りているのは上記不動産バブル崩壊の影響で資金繰りが厳しいデベロッパーだったりして、1年でまた借り直して返済に回すという自転車操業が行われている。
※借り手が高い金利を払っても大丈夫なぐらい中国景気が良くなれば問題は起きない・・・そして米中貿易戦争が起きて1年、景気悪化が止まり上昇に転じたとしたらシャドウバンキングも問題とならず、またしても中国凄いねってなる。

イタリアとかスペインとかもなんかありそうだけど、とりあえずこんな感じです。
んで、ここまで長々と書いて結局何が言いたかったのかと言うと、GW暇だったら『マネー・ショート 華麗なる大逆転』見たらいいですよって事です ( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ



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