2020-10-11 08:50 | カテゴリ:雑談
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」を読みました。
勿論漫画で。





これは特筆すべきは、明智光秀の子孫である明智 憲三郎氏(日本の作家、歴史研究家、情報処理技術者)が会社務めしながら歴史を調べて、祖先の汚名を注ぐために書いた本が原作となっています。

従って、特徴は以下の通りです
・祖先に汚名を着せているのは江戸時代に書かれた軍記物であるため、それを元にした作り話を否定
・軍記物ではなく、当時の一次資料を基に考察しているため説得力がある
・祖先の汚名返上を優先するあまり、光秀を美化し、他を卑下する傾向

勿論、歴史学者ではなく、歴史愛好家が書いた本なので、日本歴史学の厳しい批判に耐えれる研究ではなく、矛盾・推論・自説に都合の良い資料だけでこじつけ等が多く、奇説の一種として、学界からはあまり評価されていないです。

漫画では、例えば、ルイスフロイスの『日本史』には光秀の悪口が一杯出てくるのですが、それらは一切紹介されず、褒めていると読み取れる部分だけ切り取って紹介されていました。
また、延暦寺焼き討ちを「皆殺し」という形で残虐に推し進めたのが光秀で、それを正当化するために、延暦寺の僧が悪逆非道な行いをしていたのを殊更強調し、そんな悪い延暦寺を懲らしめるのだからしょうがない的な印象操作をしていました。

また、やはり原作で主張されている、信長の家康暗殺計画などはあり得ないと思うのですが、漫画自体は、フィクションと割り切れば、かなり面白かったです。
佳境の方で光秀が謀略を使って、信長自身に本能寺の変のプランを考えさせる辺りは見てて胸が躍りました。
しかも、一応、一時資料を基に描かれており、その推論が突飛(特に本能寺の変の真相とかは)であっても、一定の説得力はあり、歴史好きとしても面白かったです。

ただ、ちゃんと一時資料を検証しているのに、光秀の子孫という事で、光秀に肩入れし過ぎている内容となっており、中立的立場で客観的に正しいと納得できる結果を求めていた層からは批判されまくる感じになっています。

しかしフィクションとしては、元がいいから、脚本を頑張って上手くアニメ化したら、結構面白い作品になりそうです。
作画はシグルイ無限の住人系で渋く。

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