2020-05-09 08:29 | カテゴリ:勉強や投資情報
『ウォール街のランダム・ウォーカー』のまとめの続きです。
第一章 株式投資の二大流派
第二章~第四章 過去のバブルについて
第五章~第七章 テクニカル分析とファンダメンタル分析について
第八章~第九章 学者の投資へのアプローチ(MPTとCAPM)について
第十章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦
第十一章 「スマート・ベータ」と「リスク・パリティー」
第十二章~第十五章 最後のまとめ


章ごとのまとめを毎回公開してますが、ぶっちゃけ、5行で超要約すると
・過去のバブルを通して人間の愚かさを説明
・投機家のテクニカルは宗教で論外と、侮蔑を持って否定
・投資家のファンダメンタルは主義でお手並み拝見と、遠慮を持って否定
・学者の現代投資理論は一考の価値ありだが、敬意を持って否定
・結果、インデックスファンドのドルコスト平均法による長期運用こそ至高の投資法

で、これだけ読んでも三日後には忘れてますよね。なのでなぜ上記の考えに至ったかの詳細を知る事が大事だと思います。
※インデックスファンドのドルコスト平均法とは、分散投資+時間分散で究極にリスクを減らした投資法ですので、逆に言えば究極に儲からない事はシミュレーションしたら一目瞭然で、100万を1000万にするとか不可能な事は知っておいてください。また、好景気の時に始めて、平均取得単価が高い期間が長いと、損失期間が長く、時間を相当無駄にする事になるので注意です。

また、本書を読む時の注意点として、様々な検証結果や数字が示される事はありますが、テクニカルアナリストは『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態であるのと同様に、著者自身も、まさに『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態ではないだろうか?という疑問符は常に付きまといます。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』まとめ 第十章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦

※青文字は本著に書いてある事でなくて、塩漬けマンの捕捉説明や意見

効率的市場仮説・・・「全体としては」投資家は合理的な投資行動を取る
VS
行動ファイナンス(経済学と心理学の融合)・・・投資家は以下の理由により合理的な投資行動を取らない
1.自信過剰(→楽観)
2.偏った判断
3.群れの心理
4.損失回避願望
→認められるまで20年掛かったが、提唱したカーネマンは心理学者にも関わらずノーベル経済学賞を受賞した
※経済学と心理学の融合した学問を行動経済学といい、その中で投資に特化した分野を行動ファイナンスといいます。

効率的市場仮説の学者「一部の非合理的な投資家の売買によって発生した非効率的価格は、大部分の合理的な投資家のアービトラージによってすぐに効率化する」
VS
行動ファイナンスの学者「実際には様々な障害によりアービトラージは機能しないし、裁定取引によって株価がファンダメンタルに収斂すると考えるのは幻想である」
→裁定取引の主役たるヘッジファンドの取引を分析した結果、ITバブル期において、ヘッジファンドは株価をファンダメンタルズ価値に近づけるためにショートしたのではなく、むしろ逆に愚かな一般大衆がもっと高値で買ってくれると、バブルの株をさらに買いまくり、バブルを助長していたのだ。

効率的価格の定義が本や、同じ本の中でも記載箇所によって変わるのが、すごく問題だと思っています。
効率的価格=ファンダ的な適正価格
効率的価格=全てを織り込んだ価格(※ファンダ的に正しいとは限らない)
上記の二つは全然違う。


1.自信過剰(→楽観)
学生に「車の運転は同級生より上手いか?」と聞くと8~9割がYESと答える。
この自信過剰はあらゆる他の質問でも同様。
そしてこの傾向は投資家、特に男性投資家に顕著に表れ、根拠のない自信から短期売買を繰り返し、より多く負ける。
学者の分析により売買頻度が多い投資家程パフォーマンスが劣っている事が証明されている。
またこうした投資家の自信過剰は、新技術等があり得ない成長をすると妄想し、成長株のPERを異常なまでに高め、ほとんどの場合、その期待は裏切られ、業績の悪化とともに成長株は大暴落する。
自信過剰な人が多いのはアメリカ人の特徴で、日本人は謙虚な人が多いです。
知り合いがオーストラリアのヘリスノボーに行ったのですが、自分のレベルを1~10で自己申告して、そのレベルに応じたコースにヘリコプターで連れて行かれるのですが、アメリカ人が9って自己申告して、インストラクターに勝手に6に下げられてて、その知り合いは3って自己申告したのに勝手に6に上げられて、同じコースに連れて行かれたそうです。
アメリカ人はレベル6のコースに連れて行かれて怒り心頭だったけど、全く滑れず足手まといで迷惑で、その知り合いは6程度は余裕で滑れて、次は10のコースに連れて行かれたそうです。
インストラクターに聞くと、最初の一回目はアメリカ人は自信過剰なので自動的に自己申告から-3して、日本人は謙虚なので+3する決まりになっていたそうです。


2.偏った判断
これはテクニカル信者、とりわけチャーチストといった人種に多く見られる。
当たらないのに当ったと思い込むのだ。
これは、将来の株価は過去の株価推移とは全く関係ないのに、関係あると思い込み、過去のチャートを分析するという意味のない行動を取らせる。
心理学の実験で、実力で結果が変わるゲームであるとルールの説明をし、しかし実際はそれは完全に運のゲームであったにも関わらず、被験者は全員自分の実力で上手くゲームが出来たと言った(実は鬱病の患者だけがこの騙しに引っかからなかった)。
要は、人間はバイアスを与えられると、どんな高学歴で確率論や統計学を修めた人でも、理論的に間違った答えを出してしまうそうです。統計学を勉強してないのにテクニカルやってる人は論外ですが、統計学をちゃんと勉強してるのにテクニカルを信じちゃってる人もいますもんね。

3.群れの心理
グループとしての判断が一人の判断より優れている事はあらゆる研究で証明されている。
投資においても市場参加者全員の合意によって価格形成されている株価は一番優れた株価であり、それと逸脱する積極運用で勝負するファンド・マネージャーのパフォーマンスは市場平均を下回る事が多い。
問題は群衆が間違っていた時だ。
その時、個人は正しい判断を保つことが難しい。
線の長さを比べる実験で、一人ひとりで実験を行うと、100%の人が正解する簡単な実験を7人で行い、しかも6人目までは間違った答えを言うように指示した所、7人目も間違った答えをするのだ。
7人目は前の6人によって自分の判断に自信がなくなって追随したのか、それとも、線の長さの認識が脳内で変わって視覚されたのかを確認するためにMRIで調べた所、なんと、他人に追随したのではなく、脳内で視覚の認識が変わっていたのだ。
このような群集心理は他人のPFを真似る事から人気株を産み出し割高な株価をつけるし、相場全体でこれが起こるとバブルを生む。
群集心理はまた、他人が買っている時に買い、売っている時に売る投資行動を取らせるため、このような人気株やバブルに手を出した投資家はすべからく大損をする。

4.損失回避願望
合理的な投資家に取って利益の金額=損失の金額であるはずだか、実験の結果、損失は利益に比べて2.5倍の価値を持つことが分かった→プロスペクト理論
投資家の心理的効用:1ドルの利益=2.5ドルの損失
→投資家は損失回避願望が強くなる
①確実に750ドルの損失が発生する
②75%の確率で1000ドルの損失か25%で損失なし
数学上期待値は同じなのに9割の投資家が②を選択する
要はこれが強い人は損切が出来ないって事ね
これに自尊心と後悔の感情が混じると、益々投資家は合理的とは真逆の行動を取る。
損切・・・自尊心が傷つき、上がった時に後悔するので売りたくない→含み損が増え続ける
利確・・・自尊心が満たされ、下がった時に後悔したくないので売りたい→少ない利益で売ってしまう
結果、損大利少ばかりする負けトレーダーになってしまう。

行動ファイナンス理論から得られる教訓
・投資家は自信過剰で、群衆心理のプレッシャーに弱く、自分は大丈夫と根拠なく錯覚し、過ちを決して認めないペット以下の存在
・敵は他の投資家でなく自分
・ゲームに勝つにはカモを見つけなければならないが、自分がカモなのだ
・人気の株を買っても損しかしない
・短期売買を繰り返すほど負けるし税金も馬鹿にならない
バフェット「ナマケモノに限りなく近い半睡眠状態が最善の投資スタイルだ。そして最適な投資期間は半永久的だ」
・売る必要がある場合は含み益の銘柄でなく、含み損の銘柄から売れ

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心理学的な事は有名な『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』を読むよりも、行動ファイナンス理論を勉強した方が遥かに役に立つと思います。


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