2020-05-03 07:48 | カテゴリ:勉強や投資情報
今日から休日は『ウォール街のランダム・ウォーカー』のまとめを紹介していこうと思います。
第一章 株式投資の二大流派
第二章~第四章 過去のバブルについて
第五章~第七章 テクニカル分析とファンダメンタル分析について
第八章~第九章 学者の投資へのアプローチ(MPTとCAPM)について
第十章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦
第十一章 「スマート・ベータ」と「リスク・パリティー」
第十二章~第十五章 最後のまとめ

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章ごとのまとめを毎回公開していきますが、ぶっちゃけ、5行で超要約すると
・過去のバブルを通して人間の愚かさを説明
・投機家のテクニカルは宗教で論外と、侮蔑を持って否定
・投資家のファンダメンタルは主義でお手並み拝見と、遠慮を持って否定
・学者の現代投資理論は一考の価値ありだが、敬意を持って否定
・結果、インデックスファンドのドルコスト平均法による長期運用こそ至高の投資法

で、これだけ読んでも三日後には忘れてますよね。なのでなぜ上記の考えに至ったかの詳細を知る事が大事だと思います。
※インデックスファンドのドルコスト平均法とは、分散投資+時間分散で究極にリスクを減らした投資法ですので、逆に言えば究極に儲からない事はシミュレーションしたら一目瞭然で、100万を1000万にするとか不可能な事は知っておいてください。また、好景気の時に始めて、平均取得単価が高い期間が長いと、損失期間が長く、時間を相当無駄にする事になるので注意です。

また、本書を読む時の注意点として、様々な検証結果や数字が示される事はありますが、テクニカルアナリストは『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態であるのと同様に、著者自身も、まさに『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態ではないだろうか?という疑問符は常に付きまといます。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』まとめ 第一章 株式投資の二大流派

※青文字は本著に書いてある事でなくて、塩漬けマンの捕捉説明や意見

まず、第一章では学者の見解と、投資の世界の二大流派である、ファンダとテクニカル(砂上の楼閣=バブル)について説明されています。

・学者
ランダム・ウォーク=物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能
→ファンダメンタルズもテクニカルも役に立たず、投資の専門アナリストが組んだPFと猿が目隠ししてダーツで選んだPFは同じ運用成績となる

VS

・投資関係者
ランダム・ウォークは学者が飯を食うために生み出した屁理屈
ファンダメンタルズ分析かテクニカル分析で株価は予測可能

本著での投資と投機の違い
投資=配当、金利、賃貸料など、かなり確実性の高い収入の形で利益を上げる事、及び長期間保有して値上がり益を狙う事を目的とした金融商品の購入
投機=リターンを合理的に予測出来ない確実性が低いトレードで、数日や数週間で大儲けする事を狙って行うトレード
※本著は投機では全く役に立たず、投資(ゆっくりと、しかし確実に金持ちになる)についての本

例え2%程度の低いインフレ率でも、基本的に現代社会はインフレし続ける
=現金を持っているだけではインフレ分、損失を出し続けるのと同じ
→万が一インフレ率が急激に上がると、何もしないと大損をしてしまう
→投資によって資産価値を守るための努力をしないといけない

資産価値評価の二つのアプローチ・・・賢明な投資決定を行うにはこれを十分理解する必要がある

・ファンダメンタル(本質)価値学派
→ジョン・バー・ウィリアムズ『投資価値の理論』・・・株式の価値の拠り所を配当に求め、さらに【割引】という初の概念を導入した。【割引】とは将来手にするお金の現在の価値を求めるという考え方。例えば、1年後の1ドルの価値は今は95セントしかないと考える。その結果、株式の本質価値は、将来受け取る全ての配当を割引いた現在価値の総額に等しいと主張
=株式の価値は将来、企業が配当として支払うお金によって決まる
=現在の配当水準とその増加率が大きい方が株式の価値は高い
=将来の配当の成長率こそ株式評価の最も重要な要素
→グレアムとドットの共著『証券分析』で上記は公式化され、電卓を叩くだけで本質価値を推定可能・・・本質的価値を下回った時に買い、上回った時に売るだけ
→上記の手法で一番成功した投資家が「オハマの賢人」ウォーレン・バフェット

・砂上の楼閣学派・・・テクニカル信者はこれを前提(ファンダ無視で株価は動く)としている ※砂上の楼閣ってバブルの事
配当ではなく心理的要素を重視。
ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』・・・企業の将来の収益や配当は予測出来ない→一般投資家はそれらよりも株価水準の変化を予測する方に関心を持つ
=株式資産評価(本質価値)よりも群集心理の原理を重視
→ファンダメンタル価値学派のアプローチはやる事が多いのに成果が小さい。彼らが一生懸命1日中仕事をしている間にケインズは朝30分ベッドの中で株式市場の事を考えただけで、彼らよりも巨万の富を築いた
→本質価値の3倍の値段で買う愚かな人間も、自分より愚かな人間を見つけて5倍の値段で売れば問題ない
→群集心理は本質価値より遥かに高い価格(=砂上の楼閣=バブル)を付けるので上記が可能
→上記は理屈(本質価値)ではなく集団心理であるため、やらなければいけない事はただ一つ、ゲームの始めの方で参加して機先を制するのみである

※学者の世界でも心理学を重視する「行動ファイナンス」理論が台頭

砂上の楼閣学派のリーダー格、モルゲンシュテルンの言葉
「株式の本質価値の追求などというのは、さながら狐火を追いかけるようなもの」
「すべての物の価値は、他人がそれに支払う値段によって決まる」

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アメリカの上場企業がやたら配当にこだわる優良企業が多い理由って、配当を基準に株式投資をするファンダメンタル(本質)価値学派が主流だからですよね。
良い事だなと思いました。
ただし、それは一時代前の話で、今は配当よりも自社株買い(投資家、経営者双方にメリットがある)が主流となっています。

砂上の楼閣学派によれば、株式投資は自分が買った価格より高く買ってくれる愚か者を見つけて、自分が買った価格より高く売りつけるゲームだそうです(;^ω^Aアセアセ
勿論著者は次の章で、バブルに乗るのは最も愚かで危険なゲームとして警鐘を鳴らしています。
ただし、インデックスファンド投資では退屈で面白くないと考えるギャンブラーは、あくまで資産の一部だが、自分で銘柄を選んで株をする場合に、銘柄選択の重要な要素として、人々が熱狂してバブルになるストーリーのある銘柄(短期的には投資における心理学的要素を認めている)を買う事を推奨しています。


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