2016-12-24 11:52 | カテゴリ:勉強や投資情報
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『マーケットの魔術師』の感想の続きです。
株式編は面白くてためになるので、一人ずつ掘り下げています。
↓前記事はコチラ
『マーケットの魔術師』感想 「先物と通貨」その1
『マーケットの魔術師』感想 「先物と通貨」その2
『マーケットの魔術師』感想 「株式トレーダー」マイケル・スタインハルト
『マーケットの魔術師』感想 「株式トレーダー」ウィリアム・オニール
『マーケットの魔術師』感想 「株式トレーダー」デビッド・ライアン

マーティ・シュワルツ

▼経歴▼

1967年 アムハースト大学卒業。海兵隊予備役で士官を目指す
→海兵隊を除隊してMBAを取得しクーン・ローブ証券のアナリストとなる
1972年 A社にアナリストとして転職
→弱気見通しのレポートが発表前に同僚に暴露されてしまい、ニューヨーク証券取引所の調査を受ける。同僚は処分され、自分も冷遇されやりがいもなく、成功への意欲もなくした辛い日々を過ごす
1975年 A社倒産し、E・F・ハットン社にアナリストとして転職
1979年 テクニカルに転向
→二年間で5000ドルを14万ドルにする
→アナリストを辞めアメリカン証券取引所の会員権を買いフロアでマーケット・メイカーをしながら専業デビュー
→株式のみならず、オプション・先物と手を広げて安定的に稼ぐ


家に閉じこもって一人でトレードする個人投資家
子供の頃から勉強熱心で、常に勉強ばかりしており、投資家になってからは1日12時間、休日も常に株の勉強をしている

▼成績▼
9年間ファンダで負け続け、テクニカルに転向してから勝ち続け有名なトレーダーとなった
彼を有名にしたのは全米トレード選手権
・4ヶ月リターン210%達成
・年781%達成
先物では4万ドルを2000万ドルまで増やした上、一カ月で3%以上損した事がない
オプションでは1981年以降、儲けが100万ドル以下の年はない

▼手法▼
・テクニカル分析による投資
・多くのテクニカルトレーダーが実践しているように、リスク管理(ポジションサイズ)が最も大事で、損切は素早く利益は伸ばして損少利大を目指す
↓手法というよりルール
・ポジションを取る前にはチャートと移動平均線をチェック
・移動平均線が一番効果的
・移動平均線には逆らわないようにしている。自殺行為になるから
・不一致を探す
(例)市場全体が直近安値を下回ったとき、その株は直近安値を上回っている→その株は強い
・うまくいった後には褒美として1日休みを取る
・大勝ちした後も、大負けした後もポジションを減らす
・底値買いこそ高くつくギャンブルはない(儲かるって事かな)
・ポジションを取る前に常にどれだけ損をしてもよいか決めておくこと
・最後の言葉は「働け、働け、もっと働けだ」

多分独自のテクニカル分析による細かい手法がある模様

▼本著要点▼
「エゴと金儲けの違いが分かった時、間違いを受け入れる事が出来るようになった時、敗者から勝者になった」
→具体的には、正しい分析をして正しく市場を読み切っていたファンダをしていた頃は「自分は正しいんだから間違っていない(=エゴ)」と信じ切っており、しかし相場では負け続け、テクニカルに転向してから「私は読み切った!しかし間違いならいつでも止めて(損切)やる」と思うようになってから勝てるようになったという感じ
「金持ちの罫線屋(テクニカル派)は見た事がないという奴らの事をいつも笑っているよ。傲慢で馬鹿げた考えだ。私は9年間もファンダでやっていたが(負け続け)、罫線屋として金持ちになったのだ」
→テクニカル派を馬鹿にしたのはジム・ロジャースかな
「毎月儲けさえすれば問題は起こらないというのが私の哲学」
→専業トレーダーで家族を養っているのでこういう考えになる。その裏には勿論徹底したリスク管理がある模様
「ブラックマンデーの日、ロングポジションを分投げて31万ドルやられた。しかしやられたポジションをナンピンするのは自殺行為だ。もししていたら500万ドルやられていただろう。血がにじむほど辛かったが、リスクを認識し、最小限に食い止められた事に満足している。これは海兵隊での訓練が実践された例だ。海兵隊の戦術書には前進か退却しかない。地獄へ行きたくなければ、じっと座っていてはダメなんだ。退却も立派な攻撃だ。それは相場でも同じ。再度攻撃を図るために十分な弾薬を確保しておくことが重要。事実、10月19日以降攻撃に転じ、1987年は最も儲かった年になった」
「ブラックマンデーの時、ショートをしようと考えたが、今は金儲けを考える時ではない、今まで手にしたものをどう守っていくか心配する時だと自分に言い聞かせた。本当に大変な時期には守りに徹してきた。守りの重要性を信じている。大暴落の日、私は全てのポジションを手じまい、家族を守った。貸金庫へ行き、預けておいた金を持ち帰った。銀行へ行き、小切手を切って現金を引き出した。銀行の倒産を懸念したからだが、後日銀行の経営者たちから話を聞いて、私の行動は正しかったと確信した。このような行動を取れたのは1929年(世界大恐慌)に大学を卒業した父の苦労話を聞いていたから」
→かなり愛妻家らしく家族を大事にする人のようです
「(プログラムトレードについて)大嫌いだ。自然な相場をぶち壊してくれた。奴らは腕力で相場を動かそうとする。」
「(そういう批判はナンセンスだという人について)そう言う奴らこそ馬鹿者だ」
「(知識人にもいるが)何といっても馬鹿者だ。全員馬鹿者だと証明してやる」

→この後、システムトレーダー派の著者が反論して議論の嚙み合わない喧嘩が勃発。シュワルツはシステムトレードを憎んでいるようで、感情的になるので、話は打ち切られました。
「大きく損をし、一気に取り返そうとすると、ほとんどの場合大失敗する。私は大損の後はいつも小さくやって、とにかく勝ちを重ねようとする。儲けの金額は問題ではない。ただリズムと自信を取り戻すためだ」
「選挙による空売りで大損(1日で60万ドル)した時、なぜそのような馬鹿なトレードをしたかというと、その前の月に大儲けしたのが原因だと思ういつも勝利の後に大敗するんだ。不注意だった」
「誰でもミスは犯すものだ。多くの人が、その時間の大半を自分のミスをカバーすることに費やしている。数字は嘘をつかないから、トレーダーとして生きていくためには、ミスに立ち向かっていかなければならない」
「最も重要なのはマネーマネジメント、マネーマネジメント、マネーマネジメント。成功した人は誰でも同じことを言うはずだ」

→本当に全員が一致してリスク管理が大事と言います。失敗した人の原因のほとんどがリスク管理が出来ていからではないでしょうか
「常に改善に努めてきたのは、利益をいかに伸ばすかということ。いまだにうまくいっているとは思っていない。恐らく死ぬまでこの努力を続けるだろう」
→この人は利食いが大好きであると同時に常に最悪の事態(自然災害等による予期せぬ暴落等)を懸念しているので、いつも早売り後悔しているようです
「最大損失は月3%だった。毎月とにかく利益を上げるというのが私の方針だ。さらに毎日、毎日利益を上げることを目指している。そうする事によって9割以上の月が利益となっている」
→これを実現するため、損切は素早く、利を伸ばすを心掛けている。
「(負け組の理由)ミスを認めるよりも、損をする方を選ぶからだ。損したポジションを持っているトレーダーの極め付けの正当化が「トントンになったら手仕舞うよ」だ。トントンで手仕舞う事がどれほど重要だというんだ。私が勝てるトレーダーになれたのは「自尊心なんてクソくらえ。金儲けの方がもっと大事だ」と言えるようになったから」
→凄く下手なFXトレーダーがいるのですが、彼が頭に浮かびました。彼は損切が死ぬほど嫌いで、含み損になるとナンピンしていつも「トントンになったら切る」と言って、大損しています
「(下手な人への最高のアドバイス)損切を覚えなさい。金儲けで最も重要なことは手に余るほどの損を決して出さないことだ。もう一つ、資金が増えるまでポジションサイズを増やさないこと。儲け始めると、すぐに掛け金を大きくしてみんな失敗する。それが一文無しへの近道なのだ」
→テクニカル派はみんな同じ事をいいます。リスク管理と損切と利益を伸ばすのが大事ってね
「私は(一人でやっているし儲けているので)組織的にも経済的にもいつも自由だ。好きな時にバカンスも取れる。素晴らしい人生だ」
→まさに理想です!彼には愛する家族もいますしね

この人は世界有数の成功したトレーダーですが、必ずしもファンダよりテクニカルが優れている事を示しているわけではありません。
自分にあった手法を見つけれるかが大事で、それが彼にとってはテクニカルだったのです。


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