2016-03-28 15:23 | カテゴリ:勉強や投資情報
今日は値動きも微妙で、たいしたネタもないので、アメリカが抱える爆弾についてです。

映画マネーショート見た人とかは最後に学資ローンの話出てきて、気づいてる人もいると思いますが、アメリカの学資ローンが次の問題(住宅ローンのように)なるのではないかと気にしている人多いと思います。

これって実際に相当やばくて、住宅ローンのように、金融危機を起こす可能性はありますが、多分、そうならないと思います。
後、同じく問題になる可能性があるのが、自動車ローンです。
ただ、これも、多分金融危機を起こす問題にはならないと思います。
以下、それらを詳細に説明していきます。

↓ネットから拾ってきている数値なので違ったらすいません

■ローン残高
住宅ローン 8兆1700億ドル
学資ローン 1兆3000億ドル
自動車ローン 1兆ドル


■自動車ローン
低所得者層が郊外に押しやられて車を買わざるを得なくなったため、無理して買っている人が多いため、サブプライムローン(信用が低い人が借りている)の割合が高いのが問題です。

ただ、車という性質上、返済出来なくなったら、車が差し押さえられて、まぁバスとか電車使うしかなくなって、お金が入ると、取り戻す的な感じで、住宅と違って、簡単にやり取り出来て、代替手段もあるため、そこまで問題にならないのです。

■学資ローン
日本の奨学金(育英会とか)のイメージでいたらいけません。

・利用者
学生ローンを利用する学生の割合は、国公立大で6割。非営利大で7割、私立大の場合は96%
※平均71%とも
※有名大学では10%。裕福層が多いのと、政財界からの寄付・補助金が多いため
→つまり、これもサブプライムローン
学資ローン大手のサリーメイは元国営で、従って国営当時、返済出来ない人にも貸しまくっていた
→つまり、かなりのサブプライムローン

・金利
実際にあった、滞納していない場合の最高金利18%
※返済が始まって、一回でも滞納すると、上限なしでドンドン金利が上がる鬼仕様
※金利上限はなし

・アメリカの学費(年間5.6%上昇)
2008年度全米私立大学の年間の平均授業料は34132ドル、公立大学は約9000~23000ドル

・卒業時の借金
公立大学を学士号を得て卒業した学部生の56%が卒業時に平均22000ドルの借金
私立大学卒業生の場合65%の学部生が平均28000ドルの借金
※2011年WSJでは平均額がほぼ200万円(2万5250ドル)
※2015年政府発表では4年制大学を卒業する若者の71%が、平均2万9400ドル(約301万円)の借金を抱えている

・クリントン大統領が署名した高等教育法で鬼畜仕様
【消費者保護の法律が学資ローンには一切適用されない】
自己破産免除なし
金利上限なし
期限前返済禁止
有利な金利への借り換え不可

・不良債権化
全米で約500万件。金額では総額400億ドル
返済遅延に陥っているものが17%。現役の学生を除けば32%(3人から4人に1人は返済難)
【全米学生ローンのデフォルト率推移】
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財務省借入諮問委員会(TBAC)は2014年末、実際のデフォルト率(TBACのデータに基づく数字)はわずか9%だったが、「影」のデフォルト率――完全には報告されていない債務の「返済延滞」――が23%に達している可能性があるとする報告書を公表

・戦争で減免
戦争に行くと大きく減免されるため、それを当て込んで高額・高金利になっているという面があり、逆に言えば、戦争に行く人材を確保するために、政府は積極的な支援政策を出せません。

・証券ローン化
上記の通りヤバそうなのに、「安全」なローンとしてかつての住宅ローンのように、債券化されて売られまくっています。
※アメリカ人ってどうして反省しないのでしょうね・・・
なぜ「安全」かと言うと、住宅なら値崩れが怖いですが、人間なら働き続ける限りお金を産んでくれます。
しかも自己破産出来ないので、踏み倒しのリスクがないです。
そして金利が莫大になる仕様なので、証券を買う側からするとぼろ儲けです。
そしてここが一番の鬼畜ポイントなのですが、死んだら生命保険で補てんされるので「安全」なのです。
※「安全」といいつつ、デフォルト率上がっているので、実際はデフォルトが起きる安全な商品ではないようです。

上限なしの暴利を返すために働き続けて、死んだら生命保険で弁済・・・
先進国アメリカでこんな非人道的・非人権的な事が行われている事に衝撃を受けます。

ただ・・・これ・・・そこまで酷い状況なのかはしっかり考えなければいけません。
例えば日本の育英会だと普通のだと、卒業時に約300万の借金で、アメリカとほぼ変わりません
ただ、育英会のは金利ないですよね。
アメリカのは金利が大問題なのです。

しかしながら、オバマ大統領が以下の対策をしています。
「オバマ大統領はこれに併せ、学生ローン返済条件緩和措置の前倒し実施も発表する。現行の学生ローン関連法では、卒業後の返済は所得の15%に制限され、25年後には残余債務は帳消しとなる。議会はこれを改正し、2014年から返済上限を所得の10%に引き下げるとともに、債務帳消しを20年後に短縮することを承認している。大統領は、実施開始を14年ではなく12年初めに早める方針を明らかにする。 」
つまり金利上限がなくても、返済金額制限があって、20年後には債務は帳消しになるというのです。

ちょっと調べたのですが、2012~1015年のデフォルト率が分からないです。
それ次第だと思うのですが、恐らく問題にならないのではないかと思います。

そしてかつての住宅ローンと違って、確実にバブルになっていないです。
なぜかというと、学資ローン大手サリーメイ(証券化して売る業務もしている)の株価が低迷しているからです。

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そして自動車ローンも学資ローンも、あのリーマンショックを乗り切っています。
※ただし、両方とも、当時より増えており、デフォルト率が上がっているのは問題であり要注意です。

ただ、絶対大丈夫かと言われると自信ないです。
そして大事なのは、実際大丈夫でも、株価を下げるのに利用されて大暴落起こるかもしれないという事です。

例は2月のドイツ銀行ショックです。
塩漬けマンが去年から指摘していて、塩漬けマンだけでなく、世界情勢に敏感な人はみんな周知だった、ドイツ銀行の経営危機をネガティブ材料に2月に日経大暴落しました。
そしてSQ過ぎると何事もなかったかのように日経強くなりました。

アメリカの自動車ローン・学資ローンも結構周知の問題として有名になっており、実際は大丈夫でも、何か問題が表面化すると、ダウや日経を下げたい機関に利用されるかもしれないというリスクがあります。

まとめると、自動車ローン・学資ローンだけを理由に世界経済の破たんに掛けてショートするのは早計で、実際そうなるなら、問題が表面化してからショートしても間に合うので、それを理由の全面ショートはやりすぎと思いますが、問題が表面化した際に素早くロングを手じまって短期ショート転換する心の準備はしておきましょう・・・って感じです。
※短期ショートかそのまま中期ショートか、全面長期ショートになるのかはその時の経済状況等に応じて臨機応変に。長期的には下降トレンドと思っているので、これらの問題が世界金融危機の原因にはならないまでも、火に油を注ぐ燃料にはなりえます。
※自動車ローンと学資ローンがダブルで襲ってきたり、中国・ドイツ銀行等の悪材料とコラボレーションしてきたら、かつての住宅ローンのように、世界経済危機の原因になる可能性もあるかもしれません。原油価格の上昇(自動車ローン払えなくなる)とアメリカ雇用統計の数字(もっと言えば学資ローンのデフォルト率)には気を付けておきましょう。

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